Grilled Cheese

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@findareading.bsky.socialOct 10, 2026, 2:50 AM

松岡圭祐著『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅹ 怪談一夜草紙の謎』(令和5年10月Kindle版、角川文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

あっちへ飛んだり、こっちへ飛んだりするのを、心を開いてついていくと、面白い答えが出てくるんですね。それは、僕が言う答えではなくて、その子の〝それ〟が答えを出してくれるのです。そういうふうな会い方をしているときと、そういうことではなくて、僕が答えられるときとは、場合によっては分けなくてはならないのです。だんだん、だんだんそういうことが上手になっていくためには、ここにあげたような書物を読むことも必要なわけです。

— 河合隼雄著『こころの読書教室』(2014年9月Kindle版、新潮文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 9, 2026, 3:04 AM

松岡圭祐著『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅹ 怪談一夜草紙の謎』(令和5年10月Kindle版、角川文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

「わたしだけはなんの肩書きもありませんが⋯⋯」
「とんでもない! あなたは文壇にまつわる数々の難事件を解決なさった。お若いのに類い希なる知性の持ち主であられる」
「そんなことありません。単なる本好きです」

— 松岡圭祐著『écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅹ 怪談一夜草紙の謎』(令和5年10月Kindle版、角川文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 8, 2026, 3:05 AM

小野上明夜著『作家探偵は〆切を守らない ヒラめいちゃうからしょうがない!』(2018年7月Kindle版、メゾン文庫)より

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「ところで、そう暇そうにされるということは、俺が差し入れした本は全部読んでしまったんです? テルテル先生の作品はどうでした?」
「⋯⋯読んだわよ。それだけ」
刹那の間と、かすかに揺れた瞳を見ずとも、黒澤は彼女の心中を読み取った。
「なるほど。気に食わない話なら手に取りもしないあなたが、読み通すことはできた訳ですか。続き、お貸ししましょうか?」

— 小野上明夜著『作家探偵は〆切を守らない ヒラめいちゃうからしょうがない!』(2018年7月Kindle版、メゾン文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 7, 2026, 3:02 AM

遠藤周作著「科学の不幸」(『天使』2023年10月Kindle版、小学館P+D BOOKS)より

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由紀子と別れ、新宿に戻る電車の湿った席で足を組み、白川はレインコートのポケットから松本清張の推理小説を出して読みはじめた。そして今日の自分はその推理小説に出てくる主人公とよく似たことをやったと思い苦笑した。主人公と彼とが違うのは、小説のほうでは関係者をたずねてある手がかりをえたのに、彼のほうは手がかりらしい手がかりはひとつも見つけられなかったことだった。

— 遠藤周作著「科学の不幸」(『天使』2023年10月Kindle版、小学館P+D BOOKS)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 6, 2026, 3:01 AM

尼野ゆたか著『十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない』(平成29年11月Kindle版、富士見L文庫)より

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手に取って、パラパラとページをめくる。何度も読んだ本で、中身は頭に入っている。しかし、新しい角度から光を当てると、今まで想像もしなかった姿が浮かび上がってきた。

— 尼野ゆたか著『十年後の僕らはまだ物語の終わりを知らない』(平成29年11月Kindle版、富士見L文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 5, 2026, 3:00 AM

辻山良雄著『本とねこと青い自転車』(2026年8月、信陽堂)より

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自らを耕すと言えば、本を読む時間もそれに当たるだろう。人は人生という長い時間たくさんの本と出合っているが、それらの本を読む時間に実は細かな違いなどない。そればかりかわたしたちは、一生という長い時間をかけて、一冊の長い本をゆっくりと読んでいるともいえる。そのとき何を手にしていても、友だちとも言える〈本〉をおまもり代わりにして、人はこの不確かな世界を生き抜いていく。

— 辻山良雄著「カルチベイトする/される」(『本とねこと青い自転車』2026年8月、信陽堂)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 4, 2026, 3:26 AM

ダイアン・デュエイン著/田村美佐子訳『駆け出し魔法使いとはじまりの本』(2008年10月、創元推理文庫)より

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ニータはほっと息をついて石に腰をおろすと、木に背中を預け、心地よい空気にしばし身をゆだね──やがて本を開いて読みはじめた。
読みつづけるうちに、ニータは自分がただ字を追っているだけではなく、学びつつあることを実感していた──なにかを覚えるときかならず心の中に響く、あのストン、という音を聴きながら、事実をひたすら頭に詰めこむ。今この本が教えてくれていることは、理論について述べた冒頭部分のように曖昧でも抽象的でもなく、まるで新車の修理マニュアルのように単刀直人で、しかも相当込み入っていた。

— ダイアン・デュエイン著/田村美佐子訳『駆け出し魔法使いとはじまりの本』(2008年10月、創元推理文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 3, 2026, 3:04 AM

標野凪著『終電前のちょいごはん 薬院文月のみちくさレシピ』(2020年6月Kindle版、ポプラ文庫ピュアフル)より

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私は残りわずかになったルバーブソーダを飲み切ってしまうのが勿体なくて、話を聞きながら、ちょっとずつストローで吸っては、中のライムをいじったりしていた。お店の中を見回してみると、座っているところの奥に小さな本棚があった。見覚えのあるタイトルに吸い寄せられるように席を立った。夏菜と中学の頃に読みあさったあのシリーズだ。本棚から抜き出して開いていると、さっきまで席で本を読んでいた大城さんが声をかけてきた。
「本、好きなの?」

— 標野凪著『終電前のちょいごはん 薬院文月のみちくさレシピ』(2020年6月Kindle版、ポプラ文庫ピュアフル)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 2, 2026, 3:03 AM

三好達治著『測量船』(2013年4月Kindle版、講談社文芸文庫)より

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私の読んでゐる長い長い恋の物語──
それがききたいのか
夜ふけの屋根へ鳥がきてとまつたやうだ
月の光にぬれながら静かに休んでゐるやうだ

— 三好達治著「物語」(『測量船』2013年4月Kindle版、講談社文芸文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialOct 1, 2026, 3:05 AM

石沢麻依著『かりそめの星巡り』(2024年12月Kindle版、講談社)より

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古書店には、古いパラフィン紙めいた肌触りの空気が漂っている。書棚の入り組む空間で誰かが本を開く度に、すぐに破けそうな脆い音がこぼれ、薄暗い店内を小さくざわつかせるのだった。ハイデルベルクの大通りに面した古書店の中、橙色の照明は壁を埋め尽くす本を鈍く、どこか眠たげに照らしていた。

— 石沢麻依著「書物神殿のどこかに」(『かりそめの星巡り』2024年12月Kindle版、講談社)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 30, 2026, 2:58 AM

大崎梢著『だいじな本のみつけ方』(2017年5月Kindle版、光文社文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

アイスティーを飲み終わってもぶらぶらしていると、公民館の中から子どもが出てきた。小学校の低学年くらいだろうか。幼稚園くらいの小さな子も交じっている。みんなよく日に焼け、布の袋をひとりずつぶら下げ、わいわいがやがやにぎやかに去って行く。
「夏休みの宿題をやってたのかな。好きな本を借りてったのかもしれない」
「本?」
「図書コーナーがあるのよ。誰でも自由に読んでいいし、ノートに書けば借りていくこともできる。私もよくここに来た。なつかしい」
絨毯敷きのフロアなので、寝転がって本を読むこともできる。木の机や椅子も用意されている。

— 大崎梢著『だいじな本のみつけ方』(2017年5月Kindle版、光文社文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 29, 2026, 3:05 AM

富岡幸一郎著『鎌倉文士とカマクラ』(2017年11月Kindle版、銀の鈴社〈銀鈴叢書〉)より

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それからさらに、昭和20年の戦争中、最後の年ですね。5月に若宮大路に鎌倉文庫という貸本屋をやります。これは、文士たちも生活の糧がない、自由に本が書けないからです。それから、本もなかなか読めない。だから、彼らの持っている蔵書をそのお店に集めて、鎌倉の人たちに貸すと。で、鎌倉の人たちも、その本を読める。貴重な本が出ていました。

— 富岡幸一郎著『鎌倉文士とカマクラ』(2017年11月Kindle版、銀の鈴社〈銀鈴叢書〉)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 28, 2026, 2:55 AM

冬月いろり著『湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君』(2019年7月Kindle版、電撃文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

リィリは窓辺で、本を読んでいた。最近の図書館の貸出帳は、ほとんど彼女に埋められている。相変わらず息をしているのか心配になるほど静かに読んでいる。

— 冬月いろり著『湖底ゆらめく最果て図書館 光の勇者と涙する姫君』(2019年7月Kindle版、電撃文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 27, 2026, 2:53 AM

藤浪智之著『カフェ・グリムへようこそ シンデレラとカボチャのタルト』(平成30年1月Kindle版、富士見L文庫)より

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手に取ると『グリム童話集1』というタイトルだった。ハードカバーで、表紙には絵もない。中を見ると挿絵もなく、文字も小さくて文体も古めかしい。現代風に直されたものではなく、元の本の翻訳なのだろう。
店の本棚に置かれていた一冊のようだ。

— 藤浪智之著『カフェ・グリムへようこそ シンデレラとカボチャのタルト』(平成30年1月Kindle版、富士見L文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 26, 2026, 3:04 AM

一石月下著『貸出禁止のたまゆら図書館 2』(平成28年2月Kindle版、富士見L文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

翌日は土曜だった。千穂は午前中に学校の宿題をあらかた済ませた後、昼食を食べ終わると図書館に向かった。自転車を止めた後、エントランスを抜けて待合室へと進んでいく。すると千穂はそこに少し意外な姿を見つけた。
「あれ⋯⋯白火?」
待合室のテーブルに、千穂が来るのを待っていたのか白火の姿があった。しかし彼は何やら一冊の本を手に持ち、それを読み耽っていた。
「珍しいのね、ここで本を読んでいるなんて。何を読んでいるの?」

— 一石月下著『貸出禁止のたまゆら図書館 2』(平成28年2月Kindle版、富士見L文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 25, 2026, 3:06 AM

坪田侑也著『探偵はぼっちじゃない』(2019年3月Kindle版、KADOKAWA)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

星野と向かい合わせのソファに座り、一番上の一冊をとり、ページを繰る。目の前では、星野がすでに寝転がって文庫本を開いていた。その目が見ているのは本ではないような気がした。もっと遠くの何か、その小説の世界自体を見ているようだった。
もしこの状況を天井から見てみたら、青春映画のワンシーンみたいに見えるだろう。蟬が鳴き、扇風機の無機質な駆動音だけが聞こえる部屋で、同級生が本を読む。ありふれた日常の風景だけど、それはさらなる冒険を予感させる。

— 坪田侑也著『探偵はぼっちじゃない』(2019年3月Kindle版、KADOKAWA)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 24, 2026, 3:00 AM

津村記久子著『本のおかげで暮らしていける』(2026年9月、毎日新聞出版)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

身近なもののようでいて、実は入手が難しいものであるような気がするのだ。紙のブックカバー。布や皮のブックカバーにもっと馴染めたら良いと思うのだけれども、どうしても折りやすいのは紙だ。それにわたしはあの、掛けてもほとんど嵩にならない、本にぴったり寄り添ってくれる紙のカバーが好きなのだ。自宅で読むだけの場合でも必ず掛ける。カバーを掛けた方が帯の位置が安定するし、文庫本の場合は表紙の強度が増して読む時に気を遣わなくて済む。読書の必需品なのだ。

— 津村記久子著「書店のブックカバー好きは必見『日本のブックカバー』書皮友好協会監修(グラフィック社)」(『本のおかげで暮らしていける』2026年9月、毎日新聞出版)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 23, 2026, 3:05 AM

三好昌子著『京の絵草紙屋 満天堂 空蟬の夢』(2017年9月、宝島社文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

──せっかく大坂へ来たんやったら、いっそ京へ上らはったらどうどす──
──京で、私にできることがあるだろうか──
──満天堂の主人とは懇意にしてますねん。寺子屋の師匠を探してはるそうどす──
書肆が二階などで寺子屋を開くのは、さほど珍しいことではなかった。字を覚えた子供たちは、いずれ本を読む。

— 三好昌子著『京の絵草紙屋 満天堂 空蟬の夢』(2017年9月、宝島社文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 22, 2026, 3:20 AM

森りん著『竜の国の魔導書』(2022年2月、集英社オレンジ文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

本は案外軽かった。山羊革の表紙は金色に縁取りされて真ん中に濃い青の石が塡め込まれている。だが、古いはずのその本の手触りは思いの外なめらかで、しかも中に綴じられた頁の一枚一枚は明らかに紙だった。時代を考えれば羊皮紙のはずなのに。

— 森りん著『竜の国の魔導書』(2022年2月、集英社オレンジ文庫)

#本が綴る読書
@findareading.bsky.socialSep 21, 2026, 4:14 AM

吉田篤弘著『パロール・ジュレと魔法の冒険』(平成26年2月、角川文庫)より

#本が綴る読書 #読書 #読書する人 #読書環境

書物に流れる詩情と叡智を信じ、ときには猥雑と醜悪の匂いも嗅ぎ、みずみずしい果実の搾り汁と傷ついた舌から溢れでる血がまざった酒を最上とする。が、決して酒に溺れてはならない。文字どおり書物に溺れるべく、ひたすら垂直に身を投じてクロス装の表紙より頁に消え入る。

— 吉田篤弘著『パロール・ジュレと魔法の冒険』(平成26年2月、角川文庫)

#本が綴る読書
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