『星屑のあわい』
夜空に散りばめた
宝石のあわいには
宝石としては
まだ輝けないもの
宝石としては
輝けなかったもの
そんな鉱石が
数多くあるが
彼らだけにしか
持ち得ない輝きで
あの闇の向こう
今も光を放っている
そしてその灯は
誰かの心を
照らしていくのだろう
光と闇のあわいで

『星屑のあわい』
夜空に散りばめた
宝石のあわいには
宝石としては
まだ輝けないもの
宝石としては
輝けなかったもの
そんな鉱石が
数多くあるが
彼らだけにしか
持ち得ない輝きで
あの闇の向こう
今も光を放っている
そしてその灯は
誰かの心を
照らしていくのだろう
光と闇のあわいで
『てぃーださんさん』
うちなーぐちの
素敵な君と
海に反射した
空の煌めきが
あの日の僕には
眩しかったんだ
またやーさい
何があっても
なんくるないさと
笑ってみせる君も
あの時だけは
泣いていたっけ
はいさい てぃーだ
また会いに来たよ
太陽の様な
笑顔の君に
『あまりにもオセロ』
ゲームと現実は
違うものだから
別に勝ち負けとか
関係無いとは
思うんだけどさ
最後で負けるより
最初で負けた方が
逆転勝利
気分爽快で
楽しそうじゃない?
運命に取らせ
最後の最後で
ひっくり返す
終わり良ければ
全て良し
一度しかない人生だし
悔いなく生きたいよね
『ヴァイラスの憂鬱』
ただ憧れていた
自らの力で
栄える事を
生きていない
しかしそれ故に
死ぬ事もない
死の欲動を
持たぬ我らが
生の欲動のみを
生への渇望のみを
持ち得た
定めとは
かくも無情なるか
この逡巡が
神の見せた
一時の夢ならば
せめて今だけ
ため息に溺れよう
生けるものとして
『マスカット迷宮』
迷い込んだ先は
黄緑色が
目にも鮮やかな
迷宮だった
豊かな香りが
鼻腔を喜ばせ
齧れば甘みが
舌を潤す
乾いた風が
照る太陽が
この迷宮を
生み出した
今は、そのことが
何より嬉しかった
天の恵みに
感謝しつつ
出口を目指す
彼らが仕掛けた
このゲームで
勝ち残るために
『お土産ひとつぶ』
カバンを置いたら
手に付いた
一粒の砂
...ああ、これは
海の欠片だ
映える夕焼け
薫る潮風
落ちていく影
切なさより
愛しさを
感じて
溢れ出した雫が
溶けて消えた
茜色の海へ
静かにそっと
早く
話したいな君に
旅先で見つけた
思い出の欠片を
『ためらう孔雀』
誰彼構わず 魅せたくも無く
見せるのためらう 綺麗な孔雀
それが気楽
という訳でもなく
一人の心さらう
それだけが心動かす
意中の相手と出会う
色鮮やかな扇開く
光反射し大きく咲く
楽しく語らう
美しく愛を歌う
それこそ ためらう孔雀
唯一の 揺るがぬリアル
誇り高く輝く
『コンビニ勇者』
とうとう来たか
この時が…!
こんな事もあろうかと
レベリングは欠かさず
ポイントは全て
運に注ぎ込んだ
軍資金も十分
対象商品を買い
くじを引いた———
なっ、バ...バカな...!
全滅...だ...と...!?
...ふっ、魔王を倒すのは
まだ先、か
何故だか
店員の笑顔が
目に沁みた
『罪の名は』
詩聖(ダンテ)の足跡を追い
煉獄へと辿り着く
レーテーの先
天堂を目指して
だが
罪を清め
忘却した私は
果たして私なのか
踵を返し
アケローンの畔
辺獄へと舞い戻る
私が居て
語り合う友も居る
ならば
そこが私の天堂だ
コキュートスで
堕天使が微笑んだ
そんな気がした
『手さぐりに秋』
暑さ残る 木染月
秋の気配
探し 彷徨い
揺れる葉に
響く虫の音に
秋を待たず
散り急ぐ
瞼に浮かんだ
在りし日の姿
探しものは未だ
見つからぬまま
心は踏み出せず
秋の回廊を巡る
いつか"昔"へ
変わるまで
何度も 何度でも
『脱力ビーム』
目を閉じて
体を委ねて
いつもの音楽を
鼓膜に照射する
指先から
身体の芯まで
ひとつ ひとつ
光を 当て
意識を 向ければ
深く ゆっくりと
全てが しずんでいく
ふにゃふにゃと
ぐにゃぐにゃと
思考も 筋肉も
やわらかくなって
ゆめも うつつも
わからなくなった
『月染めの指』
時が止まれば良い
この夜の美しさを
永遠にする為に
一瞬だけで良い
月明かりの君を
ずっと見ていたいから
伸ばした指先と
君の眼差しが
月へと染まり
闇夜を照らす
黎明を待たず
優しく 柔らかな
絆を紡ぐ
いつまでも
金の光に 包まれながら
君と二人 月をながめて
『不良の畑』
漠然と 過ぎる 喧嘩ばかりの日々
漫然と 時経つばかりで 意味
なんてなく 自分の行動を しみじみ
考えながら 勝手に築かれる 己の地位
だから拳握り 通してく意地
荒らされてたのに 放置してた奴らに
せめて牙剥き 示す俺らの意志
生きる理由 見つける為に
『不思議ヶ原』
気付けば全てが
モノクロだった
灰色の草は
風にそよぎ
淡くゆらめく
私の影
光が綾なす
幻想の世界
何処までも
彷徨っていたい
何時までも
漂っていたい
喪失の苦しみ
忘却の嘆き
何もかもを
忘れ去って
空蝉に
身を焦がす
こともなく
透明な風
浴びながら
今だけは
こうして
『うっかりスイッチオン』
おーっと!
うっかりと
うっかりスイッチを
押しちゃったよ!
やっちゃった〜
まっ
ストレス解消になって
良いんだけどね
大体さ
なんで僕が
僕を抑えなくちゃ
いけないのさ?
本当は
やりたかったこと
言いたかったこと
夢にしないで
うっかりまとめて
現実にしちゃおうぜ♪
『後悔コレクション』
最初は
後悔だけが
輝いていた
そんな自分が 人生が
嫌で堪らなかった
だけど
あの日々が
あの選択が
あったからこそ
君と出逢い
今の僕がある
そう思ったらさ
後悔も勲章に
変わったんだ
そして
そんな自分も 人生も
好きになれたよ
ありがとう
側に 居てくれて
『レモンの口癖』
もしかして
甘いかもって
思ったでしょ?
どうかしら
味わってみた
感想は?
刺激的だった?
それとも
物足りなかった?
...ふふ、そう
でもね
私が貴方の
一部となって
貴方の中を
駆け巡り
満たして
触れさせないの
他のどんな
刺激からもね
どう?
元気、出た?
『迷彩観覧車』
二人を乗せた
揺籠が
夕焼けへ
混じって
瞳に映る
君は頬を染める
沈みかけた
夕陽の様な
愛おしさで
言えずにいた
あの言葉が
口を衝いて
溢れ出して
空知らぬ雨に
頬を濡らし
見つめ合う
君と僕
二人を乗せた
揺籠が
溶けて行く
茜空へと
明日の晴天を
祝いながら
『手乗りサイズで』
あれは
天使だったか
悪魔だったか
連れて来たんだ
手乗りサイズの
小さな思い出を
最初は
遠くて
色褪せていて
心は渇くばかりで
でも
大きくなって
色がついて
赤に染まった
視界の中
僕は笑っていた
ああ
手乗りサイズで
良かったのにね
擦り潰した
残った欠片
微笑む君