Grilled Cheese

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@ice03g.bsky.socialSep 30, 2026, 7:29 PM

#140字小説

姉は魔女だったから掟に従い、森に一人で住んでいた。寂しがり屋の姉だった。一人で暮らすのはどんなに心細かっただろう。月に一度は訪れていたけれど、見るたび衰弱していって痛々しかった。あるとき、姉はいなくなってしまった。壁という壁は魚の絵で埋め尽くされている。姉は魚になったのだと思う。

@sing1.bsky.socialSep 30, 2026, 3:41 PM

仕事帰りの飲み会の誘いを断った僕は、同僚と別れ駅に向かって歩き出す。やれやれ今日も1日雨だった。飲み会を断っておいて何だけれど、真っ直ぐ帰る気にもなれない。なんかスッキリしたいな。そうだ銭湯に寄ろう。商店街から少し離れたところにあるのは知っていたけど行くのは初めてだ。#140字小説

@auto-phi.bsky.socialSep 30, 2026, 12:51 PM

2026/09/30
#140字小説

マンションのモニターを募集しているという。四週間、マンションの一室で生活して住み心地を調査するらしい。マンションに住むだけでカネが手に入るのだから、応募倍率はかなりのものだったはずだ。だが、運良く私が採用された。リストラでカネに困っていた私にも、ようやくツキが巡ってきたのだろう。
@ice03g.bsky.socialSep 29, 2026, 7:23 PM

#140字小説

やらないといけないことがどんどん降り積もっていて、もはや身動きが取れない。山のようになってしまったタスクから、せめてひとつずつ片付けていかないと、という気持ちはあるものの、とりだしたそれをこなすのはなかなかに気が重い。はあ、とため息をつく。その間にも降り積もる。もう一度、ため息。

@auto-phi.bsky.socialSep 29, 2026, 12:55 PM

2026/09/29
#140字小説

部屋の鍵を開ける。荷物を床に置いて、部屋の中を確認する。リビングにありそうな家具が揃っていた。とりあえず椅子に座って、テレビを点けた。昼のニュースが流れる。本当にここで生活するのか。支給されたスマホを手に取り、メッセージアプリを開く。部屋に着いた旨を送信すると、少し緊張が緩んだ。
@suwazo.bsky.socialSep 29, 2026, 12:13 PM

#140字小説 果てしない広い広い図書館だった。「入口か出口はどこですか」問うと司書は答えた。ありません。この世界はすべて図書館だから。「じゃあ本を読んだり借りたりしている大勢の人々は一体どこから」それは、と司書は棚から本を一冊取って開いた。僕は僕がその本から出てきたことを思い出す。

@ice03g.bsky.socialSep 28, 2026, 9:36 PM

#140字小説

要らないものを捨てていく。誇り、驕り。こういったものは持っているといろんな場面で差し障るからさっさと捨ててしまうに限る。弱音、甘え。これらは枷にしかならないから早めに捨てる。夢、希望。使い方によるけれど、下手に使うと邪魔になるからやっぱり捨てる。捨てて捨てて身軽になって飛ぶのだ。

@auto-phi.bsky.socialSep 28, 2026, 12:00 PM

2026/09/28
#140字小説

いやぁ、驚いたのなんの。坊やが海に落ちたもんだから、あたしは直ぐに通報したんですよ。そしたら男性の方も海に飛び込んで。ええ、二人とも助かって何よりですよ。じゃあ、あたしはこれで。いやいや、まったく。やっと戻ってきたねぇ。どんな人間の悪果を見てきたんだい。あたしに聞かせてごらんよ。
@suwazo.bsky.socialSep 28, 2026, 11:06 AM

#140字小説 「とびきりの美女なんだろ? それが無防備に寝てるんだと」百年の眠りにつく美女の噂。男たちは下品に笑いながらいばらに囲まれた城に向かいます。しかし姫はどこにもいません。諦めて帰ると、ちょうど妻たちが告発しているところでした……夫からの長年の暴力を。女たちが目覚めたのです。

@ice03g.bsky.socialSep 27, 2026, 8:22 PM

#140字小説

魔女様は悪い人ではないのだけれど、それでもやはり私のすべてを握られていることはあまり心地いいものではない。確かに使い魔になる契約を結んだとき、私は幼く、愚かで、そうしないと生きていけなかった。身勝手だとは思う。でも……でも。私は私の思いを知ってしまい、その思いに殉じてしまいたい。

@sing1.bsky.socialSep 27, 2026, 3:24 PM

僕は断崖絶壁の上に立っている。警察に追われて逃げ続けた結果だ。何をしたかは分からないけれど、ここにいるって事はもうエンディングが迫っていると言う事だ。時刻は21時40分。尺の都合上、僕はこれ以上逃げられない。僕は刑事に向かって歩き出す。「ご迷惑をかけて申し訳ありません」#140字小説

@auto-phi.bsky.socialSep 27, 2026, 10:49 AM

2026/09/27
#140字小説

泡の音が聞こえる。海って、青くないんだね。底が見えない。けど、君を落とした人はここにいる。僕も、ついていっていいかな。僕ね、ずっと思ってたんだ。遠くに行きたい。お母さんも、誰もいない遠くに。だから、このまま海の底まで行きたい。待って。僕を置いてかないで。離して。僕も君とそっちに。
@ice03g.bsky.socialSep 26, 2026, 10:06 PM

#140字小説

疲れすぎて食べるのも面倒だけれど食べないと動けないのでしかたなく手近な命を啜った。ゴキブリから。安心してほしい、べつに口に含んでもぐもぐとやったわけではない。私は人間ではないので。ゴキブリの生命力というやつはとても強く、しばらく生き永らえることができそうだ。命を啜って生きている。

@sing1.bsky.socialSep 26, 2026, 2:40 PM

夜道に手袋が落ちていた。今どき珍しい。落ちてる手袋の写真を撮るのが趣味なので撮影する。少し歩くと帽子が落ちていた。さらに歩くと今度は上着だ。変だなと思いながら歩くとシャツが。なんかまずいと思った僕は回れ右する。その時後ろから「面白いモノが見れたのに」と声をかけられた。#140字小説

@auto-phi.bsky.socialSep 26, 2026, 11:23 AM

2026/09/26
#140字小説

海に着いた。コンクリートの防波堤を二人で歩く。昔よくここで妻とデートをした。あの頃から浮気ははじまっていたのか。止そう、考えるのは。今はただ波音を聞こう。何だ、ノイズが聞こえるような。ああ、君の持っているそれ。私のと同じだね。もっとよく見せてほしいな。あ、待って。そっちはダメだ。
@ice03g.bsky.socialSep 25, 2026, 8:28 PM

#140字小説

わたしは私を脱ぎ捨ててワタシになる。ワタシは剥き出しで、感じやすい代わりに傷つきやすい。私という殻は頑丈で、けれど窮屈なのだ。秋の風を全身に受ける。爽やかな風が落ち葉を飛ばし、ワタシの頬を傷付けた。つ、と流れた一筋の赤い血は、ワタシが生きているという証明で、ふと、寂しい気持ちだ。

@auto-phi.bsky.socialSep 25, 2026, 11:59 AM

2026/09/25
#140字小説

テレビでやってたヒッチハイクで車に乗せてもらった。運転手のおじさんはなんだか悲しくてさみしそう。でも、同じ場所に行くって言ったら少し喜んでくれたみたい。君も元の持ち主さんのところに戻れたら嬉しいかな。そうなんだ、良かった。あ、ほら。見て。青くてキラキラしてる。あれがきっと海だよ。
@ice03g.bsky.socialSep 24, 2026, 7:05 PM

#140字小説

記憶を失ったらしいが不思議と悲壮感はない。そもそも何についての記憶を失ったのかが思い出せないのだ。日常生活に関することは問題がないので普通に生活は送れてしまう。何かを失ったことを宣告されたことだけが心に引っかかっていて、ふとしたときに途方に暮れる。けれど、生きるのには困らなくて。

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