Grilled Cheese

ExploreLog inSign up
Terms of UsePrivacy PolicyCommunity StandardsHelpGet the app

Grilled Cheese is a product of Village Compute

Version devBuilt at: 2026-10-14 21:33:42 EDT

Explore

PostsPeople
LatestRanked
Load more
@ice03g.bsky.socialSep 9, 2026, 6:24 PM

#140字小説

たまにある眠れない夜は、目を閉じること自体が苦痛で。しかたがないので起き上がり、とぷんと湯船に浸かる。ゆらゆら輪郭が揺れる体を眺め、体の力を抜いていく。硬かった私の輪郭を解いていくのだ。暖まったらあらためて布団に入る。とろり蕩けていくのは重力によって。力が抜けて、やっとおやすみ。

@suwazo.bsky.socialSep 9, 2026, 1:11 PM

#140字小説 子供の頃、障子に指で空けた穴から向こうを覗くといるはずのない亡き叔父が見えて「悪い子だなあ」と笑われたのだが、ふと思い出して、拾った葉に穴を空けて向こうを覗くとやはり叔父がいて「悪い子だなあ」と笑って、「こっちだ、ついておいで」と遭難した私を山の麓まで案内してくれた。

@auto-phi.bsky.socialSep 9, 2026, 11:14 AM

2026/09/09
#140字小説

落とし物なの。大事そうに抱えながら、この子は言った。児童相談所のロビーで警察の方と話している間、この子は泣きもせずにじっと座っていた。お母さんがあんな事になっても、この子は泣かなかったという。問題のある家庭という通報もあって近く訪問する予定だったけれど、まさかこんな事になるとは。
@suwazo.bsky.socialSep 9, 2026, 10:01 AM

#140字小説 「いろんな方に使われて九十九年。貴方様の手が一番優しくあたたかく、幸せでございました。百年を迎える前に貴方の手で割って下さいな」美しい黒髪の女。病床の茶人が見たのはただの夢だったのか。それとも付喪神になる寸前の茶碗の祈りか。「貴方のいない世で神に成ってどうしましょう」

※再掲です

@ice03g.bsky.socialSep 8, 2026, 7:11 PM

#140字小説

いつまでもぬくぬくと眠っていたいのに、そういうわけにもいかないのが世知辛いところだ。のそり、なんとか体を動かして置きあがる。どうやら今日は雨が降っているらしい。雷を鳴らすかどうかしばし悩む。寝起きの頭はぼんやりしている。結局雷は鳴らさないことにして、雲を流す風を少し吹いておいた。

@nanaban-7.bsky.socialSep 8, 2026, 5:44 PM

「ねえ、どうして忘れたの」「ごめん」「謝って欲しいんじゃないの。ただ思い出して欲しいだけ」「ごめん、何も分からない……」「あなた自身のことでしょ!?」「何も、覚えていないんだ。自分のことも……」「そんな、ねえ、どうして私のことが分からないの! ねえ、思い出してよ……お願いよ……」
#140字小説

@suwazo.bsky.socialSep 8, 2026, 11:38 AM

#140字小説 ツテのツテに紹介された老婆に山奥を案内され、その細い川に辿りついた。しばらく待つと、やがて見覚えのある指輪が流れてきた。「ここに届いたなら、それは遺品だってことだよ」そうか。あの人はもう……。ここは枝分かれした支流で、流れはまた戻っていくそうだ。元の三途の川に。

@auto-phi.bsky.socialSep 8, 2026, 11:12 AM

2026/09/08
#140字小説

こんなゴミ拾ってきて、馬鹿じゃないの。服まで汚して、洗濯する私の身にもなってよ。その顔は何。アンタを迎えに行ってあげたのは誰なの。ふざけんじゃないわよ。ああ、もう。さっきからうるさいわね、このゴミ。これを捨てるのだって私なのよ。余計なことばっかりして。次はアンタを捨ててやるから。
@suwazo.bsky.socialSep 8, 2026, 10:00 AM

#140字小説 惚れた女の頼みじゃから仕方ない。川辺の晒し首の中から、愛しい男の首を盗んでくれろと……一番ええ色男と聞いたものの、色男の首が二つありよる。仕方ないから両方盗み、片方は女が泣いて持っていった。片方は「共に江戸を荒らすか」と首だけで笑いよる。とんだ魔物に憑かれてしもうた。

※再掲です

@ice03g.bsky.socialSep 7, 2026, 6:43 PM

#140字小説

私は寿司である。食べられる寿司ではないが、概念的には寿司である。酢飯という冷めても食べられる米に魚を始めとした様々なネタを載せたものが寿司であるなら、私は寿司である。人当たりは良い方だと思う。比較的冷めているが。役割というネタで様々に振舞えているつもりだからやはり私は寿司である。

@hnm-fm.bsky.socialSep 7, 2026, 12:57 PM

友人から誕生日にテラリウムをもらった。三十センチ四方の水槽に緑豊かな世界が濃密に表現されていてそれはそれは美しかった。が、絶対に枯らしてしまうので受け取りを拒否すると彼は「絶対に枯れないよ。専属の庭師がいるからね」とテラリウムの中を指差した。岩の隙間にいた小さな誰かと目が合った。
#花踏む音 #140字小説 #さくごと

@auto-phi.bsky.socialSep 7, 2026, 11:53 AM

2026/09/07
#140字小説

道の向こうが騒がしい。人が集まってる。事故みたいだ。パトカーと救急車が来てる。近くに行ってみたいけど、お母さん怒るだろうな。お母さん。悲しくなって、足元を見る。あれ、何だろう。草むらに何か落ちてる。わぁ、かわいい。落とし物かな。割れたガラスも落ちてる。交番に届けた方がいいかもだ。
@suwazo.bsky.socialSep 7, 2026, 10:01 AM

#140字小説 長年勤めた会社をやめ起業し最初は順調だったものの次第に売上が落ちいよいよ……となったとき、支援者が現れた。彼女は言った。「貴女は私を知らないでしょうが私は貴女を知っています。この本にどれだけ救われたことか」それは何十年も前に私が作った同人誌だった。私は悲鳴をあげた。

※再掲です

@ice03g.bsky.socialSep 6, 2026, 6:56 PM

#140字小説

夢の中にカメラを持ち込んで回すと、大スペクタクル映画が撮れた。撮れたのだが、どうにも筋がめちゃくちゃだ。ここからの編集が監督の腕の見せ所だろう。映像を切って貼って、筋らしきものを際立たせていく。必要ないかもと思った箇所は派手であっても捨てる勇気が必要だ。完成した映画を部室で流す。

@auto-phi.bsky.socialSep 6, 2026, 12:59 PM

2026/09/06
#140字小説

慌ただしい現場のドサクサに紛れて持ってきてしまった。カネだけを取るつもりだったのだが、何故か気になったのだ。換金する訳にもいかず持ち帰ったけれど、壊れているのかウンともスンとも言わない。まあ、何かの役には立つだろう。明日は非番だ。パチか競馬か、それとも。あ、なんだ動くじゃないか。
@suwazo.bsky.socialSep 6, 2026, 10:25 AM

#140字小説 「前世はプレシオサウルスですね」通りすがりの占い師にそう言われた。海棲の恐竜。「前世から二億年もブランクあんの? その間おれ何やってたの?」占い師は首を傾げた。「ブランク、ほんの数十年ね。まだどこかで生き残ってるんじゃないかしら。何か覚えてない?」遠い深い海の記憶。

@suwazo.bsky.socialSep 6, 2026, 9:59 AM

#140字小説 その頃ドン底だった僕はよっぽど酷い顔をしていたのだと思う。展示会で有名画家が話しかけてきた。「その絵、気に入ったならあげようか」心安らぐような澄んだ泉の絵だった。「そんな金ありません」「じゃあ」画家は絵の片隅に、小さな子供を描き足した。「君だよ。この場所をあげよう」

※再掲です

@ice03g.bsky.socialSep 5, 2026, 9:26 PM

#140字小説

嬉しい手紙を貰ったので早速返信を書く。棚に並ぶインク瓶からブルーブラック系のものを選ぶ。なんだか洒落た名前が付いているけれど、相手には伝わらないだろう。構わない、私の自己満足だ。嬉しい手紙のお礼だ。ガラスペンを取りインクを吸わせる。さらさらと文字で便箋が埋まっていく。ありがとう。